2005年6月28日(火)。一つのお店が4年間の幕を閉じました。そのお店の名は「カジュアルキッチンバー GONTA」。
大阪市営地下鉄本町駅に直結したビルのB1Fにあり、お店へ行くといつもサザンの曲が流れていて、1人で行っても必ずサザ友の誰かと会える・・・おいしい料理を食べながら、おいしいお酒を飲みながら、素敵な仲間に囲まれながらみんなでサザンを聞く・・・サザンファンにとってはこれ以上ない至福な空間がここにあったのです。特に数ヶ月に1回開かれる店長さん主催のGONTA会は毎回大盛況で、笑いあり涙ありのドンチャン騒ぎがいつも朝まで繰り広げられました。
ある偶然に偶然が重なって一番最初にお店に出会うことができたのが2004年1月のこと。GONTA、そして店長さんとの出会いが僕の人生を変えました、店長さんのサザンへの並々ならぬ情熱とプロ顔負けのエンターテイナー振りに私はすっかり感服してしまい、いつしかGONTAを心の底から愛するようになりました。
回を重ねる毎、時を経る毎にGONTA会は大きく変貌を遂げていきます。人数が一挙に増え、50席の定員は毎回SOLD OUTで食事もあるのに立ち見まで・・・1時間にも及ぶ派手な自己紹介タイム(参加者50名を各人のフェイバリットソングと共に一人ずつ紹介)、各人のネタ見せタイム、豪華賞品が当たるビンゴコーナー、サプライズ企画、会場が暗転しての誕生日おめでとう企画・・・「ゆく年くる年コンサート」のOP曲を使ってのオープニング、「TSUNAMI」での乾杯・・・GONTA会はいわゆる「オフ会」や「パーティー」といった範疇を超えて、テレビ番組のような一つのファンイベントと化していました。そして深夜には店長さんがギターを持って全員でサザンの懐かしの名曲を熱唱して、その後に心斎橋まで移動して朝までサザンカラオケというのが定番のパターンで、それはそれは最高に楽しい瞬間でした。どれだけこの瞬間が楽しみで、待ちに待ちに待ち望んでいたことか・・・もちろん永遠に続くものだと信じて疑いませんでした。
ところが2005年6月5日(日)、GONTA掲示板にて衝撃的な発表が行われました。「さよなら」と題されたその投稿には、今月中にお店を閉める・・との内容が。この閉店の一報を聞いて最初は「ウソでしょ?」「まさか!」「またまたお得意のジョーク??」などと全く実感が沸かなかったのですが、時間が経って閉店は本当なんだな、と改めて考えてみると何とも言いしれぬ寂しさが胸に去来してきました。あまりに突然のことだったのでポッカーンと心に大きな穴が開いてしまい・・・失恋したときと同じ気持ちになってしまいました。ちょうど私生活でも辛い時期でしたので、この一報の衝撃はかなり大きかったです。
そして6月25日(サザン27周年の日)、GONTA会FINALの日。足取りを一歩一歩確かめるように緊張しながらお店の中へ・・・いつもは自己紹介タイムやビンゴコーナーがあるのですが、この日はそういったイベントは一切ありませんでした。いつものように楽しいサザン談義をいろんなテーブルで繰り広げ、気がつくと時間は22時・・・BGMに『素敵な夢を叶えましょう』が流れてきて恒例の誕生日おめでとう企画が終わった後に、GONTA会に参加されたみなさま全員に店長さんから直々に感謝状を渡されるシーンがありました。一人一人にエピソードを交えながら渡す店長さんに涙ぐむ参加者の方も・・・僕もこのシーンはちょっと涙腺が潤んでしまいました・・・このときばかりは・・・そして店長さんからのご挨拶。次なるステップへと進むための前向きな閉店であることをお伝えして、この1年を振り返ろうとしたときに・・・店長さんは号泣して言葉を失っていました。このときのBGMの『心を込めて花束を』がまたせつなくて・・・1年半前から次なるステップへの準備をされていたそうなのですが、サザンファンとの日々が楽しくてなかなか決断に後押しできなかったそうです。
「なんでみんなと出会ってしまったんやろ」
この一言が強烈に印象に残りました。どんな出会いも別れというのを免れません。KUWATA BANDの「BAN BAN BAN」には『♪別れるために出会う二人に夏は訪れる』なんて歌詞もあります。
だけど・・・だけど・・・
このとき、僕は冷静さを保ちながらGONTAで過ごした時間、GONTAに残した思い出を走馬燈のように頭の中で回顧していました。どれだけGONTA会のある土曜日を楽しみにしていたことか・・・電車に乗っているときから彼女とデートするときと同じくらいすごくドキドキして楽しかった・・・もうあの場所で思い出を作ることができないと思うと・・・
本当にGONTAで僕の人生や価値観が変わりました。あの場所、あの空気、あの料理・・・すべてが好きでした。あんなに一つのお店を好きになったことって今までの人生においてなかったですし、もしかしたらこれからもないのかもしれません。
・・・いろんな思いを胸に2005年6月28日(火)、GONTA最後の日がやってきました。この日、KeiはすべてをGONTAに捧げるべく今までお世話になった気持ちを込めてランチもディナーも行ってまいりました!!以下の写真はそのときに撮影された写真です。ランチのときもたくさんの方々とお会いすることが出来ました。
地下鉄御堂筋線本町駅18番出口に通じる改札口 |
改札を出るとこんな感じの風景がありましたね。 |
さらに先へ進むと突き当たりが見えてきます。 |
突き当たりを右へ曲がるとエスカレーターが・・・ |
エスカレーターを降りてあと少し・・・もう少し・・・ |
18番出口が見えてきました。胸の鼓動が高まってきます。 |
ついに18番出口到着!あとは直進するのみです。 |
このビルの地下1階にGONTAはあったのでした。 |
しかしここは地下2階のため階段で上らなければなりません。 |
さぁ、この階段を上って左側のドアを開ければ・・・! |
やっとお店へたどり着きました!! |
SAS応援団の人は毎回10%引いていただいていました。 |
シャレたメッセージが並ぶ壁 |
最後の日のランチメニュー。4種類どれを選んでも\650!! |
ちなみにこれが夜のメニュー。昼間とはガラリと変わります。
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とにかく様々な料理があってとってもおいしかったです。 |
これは「四川風かつ丼」。ボリュームたっぷりです!! |
応援団の人にはもれなくデザートとドリンクが付いてきます。 |
バーでもありますからお酒が並んでいます。 |
カジュアルな店内にはサザンや映画のグッズが・・・ |
GONTA会ではどの席に座ろうか迷ったのも一つの思い出ですね。 |
このキュートなGONTAのキャラクターの正体やいかに?? |
サザンのライブを見ながらディナーできるなんて・・・ |
ラストの日だけあってレジの近くには花束がたくさんありました。 |
そして19:30からは45名が集まった最後のパーティー!あちらこちらで記念撮影をしていたり、『愛と欲望の日々』が流れたらみんなで思いっきり踊りまくったり、最後だからというのもあるのか僕も酔いつぶれる手前までいってました・・・そして何と言っても2組の結婚発表!本当におめでとうございます!!末永くお幸せに☆☆最後は店長さんが愛してやまない『わすれじのレイド・バック』を肩を組んでの大合唱。終電間際までまるで卒業式のような感動の嵐が続きました。
ありがとうと言いたいのはむしろ僕たちのほうです・・・ |
深夜までお店へ居残ってこの出口から出ることもしばしば・・・ |
店の外にあるトイレにも大変お世話になりました。 |
トイレを出てこの道をまっすぐ行くとGONTAです。 |
もう次にここへ来てもGONTAの姿はない。信じられないかもしれないけど、GONTAは夢に消えた。
みんなでサザンを聞いて騒いだあの空間はもう一生戻らない。
どんなにどんなに力を合わせても。どんなにどんなに心をつなぎ合わせても。
ありがとう、GONTA。
20歳、21歳という何かと迷える時期をGONTAと共に過ごせたことは僕の誇りです。
この1年数ヶ月の日々はきっと一生忘れることはないでしょう。
GONTAからもらったたくさんの思い出を胸に
まだ先が全く見えない霧だらけの航海を前へ前へと進んでいきます。
店長さんがさり気なく言っていた言葉・・・
「今までの夢はすべて叶えてきた」
僕もそんな素敵な大人になれたらいいな。
"Everything is alright now. I believe in you just forever" (サザンオールスターズ『わすれじのレイド・バック』<1980>)
〜あれから1年〜
この日からちょうど1ヶ月後の7月28日に僕は病院へと搬送されそのまま緊急入院することになりました。病名は白血病。何の皮肉かはわかりませんが、僕もGONTAがなくなったことを境に別の人生を歩むことになってしまいました。GONTAが閉店したときは大きな大きな喪失感に嘖まれて「一つのドラマが終わったんだな。全く新しい世界が待っているんだな」と漠然とした気持ちに駆られていたのですけれど、まさかこんなカタチで新しい人生が待っているとは・・・
闘病中はたくさんの方に支えてくださいましたが、特にGONTAで出会った方には大変お世話していただいたと同時に多大なるご心配とご迷惑をおかけいたしました。新しいお仕事が順風満帆なゴンてんさんはGONTAが終わってからも場所を移して何回かGONTA会を開催しておられて、僕も毎回マインド参加させていただいておりました。そして毎回イベントの模様を収めたDVDまでいただいて・・・こういった宴席では病床の身な僕のことは触れにくいとは思うんですが、それでも好きなアルバムネタや近況などを毎回必ず触れてくださっていて本当に感謝です。ありがとうございました。
2006.4.8に開催されたGONTA会。実はこのとき私は相当危ない状態で、病棟の観察室にて「生」の鼓動を必死でつないでいました。この会の模様はずいぶん後になってDVDで見たのですが、そのときに参加者のみなさんへ語っていたゴンてんさんの言葉が忘れられません。病室ですごく勇気づけられました。
「Keiは本当に今ベッドの上で頑張っています。僕は信じています。絶対にここで再会するって約束しましたから。こんなことで負けて欲しくなんかないんで。みなさん(Keiは)絶対帰ってきますんでね。応援よろしくお願いいたします。」
それから5ヶ月。本当に僕はお店に帰ってきましたよ!!がっちし握手も交わしました。そしてまた再びみなさんと思い出が作れると思うと嬉しくて嬉しくて・・・2006年、再びGONTAと私の物語が始まりを告げたのでした。