![]() | ネコ好きが気になる50の疑問 飼い主をどう考えているのか? 室内飼いで幸せなのか? 加藤 由子 ソフトバンク クリエイティブ 2007-06-24 [サイエンス・アイ新書 025] by G-Tools |
「あなたはイヌ派?それともネコ派?」
日頃の鬱憤を吐き散らすように居酒屋で歓談し始めて数時間。
そろそろ話すネタが尽きてきて次はどうしようかなと思っていた矢先に
突然こういった質問を投げかけられたとしたら、あなたはどう答えるだろうか。
私ならば間違いなく「ネコ派」と答えるに違いない。
よく知られているようにイヌは群れ生活を主軸とし、飼い主にも大変忠実だ。
社会性に長け、芸も覚え、肝心な時には人間を助けることも忘れない。
それに対してネコは単独生活を好み、自分勝手に生きる動物だ。
自分中心に世界が回っていて、わがままに甘えて一生を過ごしていく。
そんな両者を比べて共感を覚えるのがやっぱりネコなのだ。
私自身の性格もネコに極めて近く、人間関係はいつもクールで、自分が一番かわいい。
気まぐれに行動し、常識やルールにあまり束縛されず、いつもにゃあにゃあ鳴いている...
だからこそネコに対して友情に近いものを抱いてしまうのかもしれない。
おまけに今、巷ではちょっとしたネコブームも巻き起こっている。
ニコニコ動画に投稿された「ねこ鍋」はDVD化されるほどのヒットとなり、
YouTube発のねこバンド「MUSASHI'S」もネット上の話題を席捲しつつある。
他にも和歌山にいる「ねこ駅長」やネコと戯れることのできる「ネコカフェ」などもあり...
いつまで経っても成長せずに争い毎ばかり繰り返している人類を差し置いて、
ついにネコが全世界を制覇する日が着々と近付いているのか!?
本書はそんなネコにスポットを当て、その生態の謎を解き明かした一冊だ。
ネコにまつわる疑問の中でも特に気になる50の疑問が精選され、
とてもキュートなイラストと共に専門家がやさしく解説している。
これからネコを飼おうと思っている人からネコに興味があるだけの人まで
幅広いニーズを満たしてくれるに違いない魅惑の一冊だろう。
余談だが、本書に描かれているネコのイラストがどのページも大変かわいく、
立ち読みでパラパラ済ませようと思っていた私も気がつけばこの本を購入していた。
購入の決め手となった本書のイラストをぜひ皆さんにも味わっていただきたいものだ。
さて先ほども述べたように本書には50の疑問が収載されているが、
例えば『なぜイヌのようにものを覚えないのか』の疑問はネコの本質を見事に突いている。
イヌは余程間違った躾け方でもしない限り飼い主をリーダーであると認識するものだが、
ネコにはそもそもリーダーという社会的概念がない。
「ネコは飼い主にほめられたいとは思っていませんし、
そんなことはどうでもよいことでしかないのです」 (p86)
なので飼い主のために覚えるといった行為はネコにとって理解不能な概念であるし、
どれだけ躾けたとしてもその行為がDNAにインプットされることもないのだ。
つまりネコは人間とは違った独特の世界を築いているわけなのである。
「ネコの世界は、順位とか秩序とは関係なく、
それぞれが気ままに、その日の気分でやっているといったところです」 (p110)
人間社会もネコのように各々がテリトリー内で気ままに生活していけば、
案外上手くいくかもしれないと思うのは私だけだろうか。
また著者は本書を通じて室内飼いの重要性についても説いている。
人間的な感覚からすれば、ずっと家に閉じこめておくのは可哀想とつい思ってしまうが、
ネコは本来意味もなく動きたがる動物ではない上に、
トイレ・寝場所・エサさえ安全に確保されていればネコが外に出る必要性は全くない。
むしろ室内飼いをすることによってネコを様々な危険から護ることができ、
飼い主とのコミュニケーションが密になるため、ネコと人間はさらに甘い関係で結ばれる。
「ネコは社会に出る必要はないのですから、甘やかして育ててかまいません」 (p167)
こうして私たちはますますネコの虜になっていくというわけだ。
ネコがどれだけわがままな動物であっても、人間はネコを飼い続けることをやめない。
愛くるしいネコは現代社会の"癒し"そのものであり、
ネコと幸福な日々を過ごすためにも正しい知識はぜひ身に付けておきたい。
ネコとあなたを繋ぐ出会い系な一冊。


コメントする