![]() | あなたへ 河崎 愛美 小学館 2007-05-15 [小学館文庫 か-7-1] by G-Tools |
~あなたのことが大切だ~
「好き」なんていう言葉が私の想いの前では軽々しく堕ちてしまうくらい
私はあなたに恋をした。私はあなたを心から愛しく思えた。
あなたと同じ空気を吸うだけで私の心肺は呼吸困難に陥ってしまう。
あなたのことを思うだけで私は何も考えることが出来なくなってしまう。
あなたの存在やあなたの感情一つ一つが私のすべて。それが存在証明。
そんなあなたがいなくなったら私はどうしたら良い?
あなたがいない毎日なんて意味がないも同然。
こんなちっぽけな私が今を生きているのも、あなたがいるから。
それなのにあなたは...あなたは...あなたは......
一人の少女が机に向かって「あなた」へ手紙を書いている。
決して「あなた」が読むことのない一方通行な手紙だ。
「あなた」と出会って「あなた」と別れるまでの一年半の出来事が生々しく文字に蘇生され、
どんな苦しみに遭っても消えることのない「あなた」への想いが休むことなく綴られてゆく。
学校の文化祭で「私」は「あなた」に恋をした。
恋に傷ついていた「私」が逃げるように彷徨い続けた先にあった一つの教室で
「あなた」が撮った写真に出会ったのがすべての始まりだった。
シャボン玉が写ったその写真は一瞬にして「私」の心を貫通させ、
「あなた」と出会った瞬間にまるで魔法にかけられたかのように一目惚れをしている「私」がいた。
「あなた」と「私」を繋いでいる唯一の糸は手紙だった。
「私」は「あなた」に手紙を書き、「あなた」からの返事を待ち続けた。
「あなた」が落ち込んでいたら、精一杯のことをしてずっと「あなた」を支えたかった。
「あなた」が笑っていたら、「私」も「あなた」と同じようにいつまでも笑っていたかった。
きっとローティーンの恋というのはいつの時代も痛々しいほど甘美で、
永遠という言葉に絆された実直な眷恋なのだろう。
「私」にとって世界の中心は「私」と「あなた」なのであり、
この世にある愛は「私」と「あなた」へのみに収斂していく。
そして何と言っても手紙の最後を締め括った言葉が実に重みに満ちている。
「愛してます」 (p199)
一晩寝たぐらいで『愛してます』などと平然と吐き出すオトナを一蹴するかのように
ストイックかつヴィヴィッドな『愛してます』のボディーブロー。
『愛してます』という言葉の真の意味を読者へ叩き付けているのが皮肉っぽくて印象的だ。
15歳の著者がすべての感性を振り絞って描き出した小さな小さな愛の物語。
私たちオトナが日々の喧噪の中で忘れてしまった恋愛のカタチがここにはある。


その「地域らしさ」、そこのに住む人「らしさ」を尊重していくことって、大事ですね。
すごく当たり前のこと気がしますが、何らかの力で尊重されなくなることって、ありますよね。
>大喜さん
コメントしていただきありがとうございました。
書き込み内容から察するにこの本ではなく、
BOOK REVIEW 109 上田賢一『コテコテ論 序説』
へのレスだと思いますが、
「らしさ」を尊重していくことはこれから更に大切になってくると思います。
「地域らしさ」が前面に出たまちづくりというのを
行政ももっと真剣に取り組んでほしいです。。
ハコモノを建てれば良いという時代はとっくに終わっているのですから。