![]() | 大学でなにを学ぶか 隅谷 三喜男 岩波書店 1981-11-20 [岩波ジュニア新書 38] by G-Tools |
これから大学に入学する人も、いま大学で学んでいる人も、
大学生活を送る上で常に自問し続けていたい最も重要な問いがある。
『大学でなにを学ぶか』
講義に出て学問するのも「学び」。
アルバイトをして社会と触れるのも「学び」。
仲間を作って人脈を築くのも「学び」。
刺激に満ちた大学生活は毎日が「学び」の連鎖であると言って良い。
が、やはり中心となる「学び」は学問である。
この「学び」を捨てて課外活動や遊びに走る学生は本末転倒と言わざるを得ない。
別に学者並の知識を4年間で身に付ける必要性はないと思うが(というか無理だが)、
大学へ入ったからにはせめて社会人として恥ずかしくない「学際的な教養」は修得する必要がある。
そうでなければ大学へ入った意味などないに等しいし"失われた4年間"に過ぎない。
本書は大学へ進学して勉強する意味を様々な観点から考察したキャンパスライフ入門書だ。
刊行が四半世紀前と言うこともあってかデータや価値観等に古さが若干否めないものの
本全体を貫く著者の精神やポリシーは現代の状況に照らし合わせてみても充分に通用する。
大学生の特権はなんといっても天下無敵の「自由」さだ。
犯罪を犯さない限りはどんな生活をしても許されてしまうのが大学生であり、
どこへ行っても何かと優遇され"イイ思い"ができるのも大学生だ。
ある意味大学生は日本で最も恵まれた地位にある職業なのではないだろうか。
朝から晩まで好きなだけ本を読んで、気が向いたときに遊びに行って、
生活に困らない程度に働いて、来るべき社会生活に備える...
が、ただ無為に「自由」の前で胡座をかいていても人生を無駄にするだけである。
「この自由な時に、社会の動きを学生の純真なさめた目で見ておくことは、
将来の生き方を決めるうえでも大切だということを、
心に止めておいてもらいたいと思う」 (p65)
ちなみにもし私自身が「大学でなにを学ぶか」と問われれば「自分の可能性」だと即答するだろう。
私は病に倒れるまでの1年3ヶ月間の大学生活で自分の可能性とその限界を体で感じた。
自分には決定的に不足している能力があることを悔しいながらも知ったし、
逆に他の誰よりもこの部分では負けないという能力があることも知った。
それらは一人で本を読んでいても絶対にわからないことであり、
「学び」も「遊び」も手抜きなしで果敢に体当たりしていったからこそ得られたものだと思っている。
いろんな人との関わりから得た「学び」というのは私にとって計り知れない財産なのだ。
「自分の可能性」を知った上で、ではどの方向へと人生の舵を取っていくのか...
明日(4/9)、私は621日振りにキャンパスへとカムバックする。
予期せぬアクシデントはあったが、そんなことに負けていてはいけない。
大学生という特権を生かし、可能性を信じて、自分の能力の限界へと攻撃的に挑んでいきたい。
さて最後に本書は次の言葉で締め括られている。
「大学にいる間、きみたちが専門と定めたことを学ぶとともに、
人間とは何であるか、人生とは何であるか、
という問いについて考えてもらいたいと思う」 (p176)
大学生活を過ごしているあなたへ贈る一冊。


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