![]() | 天国はまだ遠く 瀬尾 まいこ 新潮社 2006-11-01 [新潮文庫 せ-12-1] by G-Tools |
ほんのりと力強く主人公が生きようとする物語に出会った。
主人公の千鶴は保険会社に勤めるごくフツーの23歳のOL。
でも不器用な性格が災いしてか仕事が全然上手くいかない。
上司には怒鳴られ、同僚からは嫌みを言われ、
ストレスで身体の調子も日に日に悪くなっていく。
何も楽しい事なんてない。ただ寝るだけで過ぎていく休日。
居場所なんてどこにもない。もうどうしようもないくらいに追いつめられている...
そこで彼女は遠いところまで行って人知れず自殺しようと決意する。
私がいなくたって世の中は何事もなかったかのように今日も明日も動くんだ。
虫けらさえいないような山奥の民宿へ赴き、睡眠薬を大量に飲んで自殺を図るが...
彼女は死にきれなかった。が、不思議とそれほど「死」には執着しなかった。
そして民宿を営む田村さんや山奥の集落で生活を営む人たちとの交流、
大自然とのふれあいを通じて彼女は生命力を取り戻していく。
ずっと都会に住んでいると田舎が天国のように思えてくる。
通勤ラッシュの電車もなければ、時間を過度に気にする必要もない。
おまけに空気も澄んでいて、人々のハートも温かい。
だけど23歳の「私」がいる場所ではないような気がしてならない。
そう感じた彼女はある決断をすることに----
人生に迷うと「ズバリ言うわよ」的な直言に惑わされがちだが、
この物語に出てくる登場人物は説教や助言を一切してこない。
「歯を食いしばって生きろ!」「人生っていうのは夢に満ちあふれているんだ!」
と長髪をなびかせて『贈る言葉』を撒き散らす先生もいない。
でも主人公の彼女はいろんな経験を通じて「何か」を学んでゆく。
"生きる大切さ"とかそういった大それたものではない。
「学ぶ」というよりも「確認する」といったほうがいいかもしれない。
23歳の「今」しか出来ないことが鮮明に見えてきたのだ。
「私はやるべきことがないのを知りながら、
ここでただ生きるだけに時間を使うことになってしまう。
それは心地よいけど、だめだ。
私はまだ若い。この地で悟るのはまだ早い。」 (p170)
日常を非日常から照射して初めて浮かび上がってくる自分の存在。
とりあえず、明日頑張ってみよっか--
半歩ほど気持ちを前向きにさせてくれる一冊。


おもしろそうですね。読んでみますわぁ。
KOZYさん、ありがとうございます。
ぜひぜひ読んでみてください!!感想も聞かせてくださるとうれしいです!!
さっそく読んでみました。良い小説でしたね。癒されました。感想は僕のホームページに載せてみたので、よかったら見てくださいね。この本に出合わせてくれて感謝してます。
読まれたんですね!ホームページの感想も読みましたよ~。
このブログをきっかけに本の輪が拡がってとても嬉しいです。
これからも良質な本をたくさん紹介していきますので、
AKEINS THE WATERSをよろしくお願いいたします~。