![]() | ダメ犬グー 11年+108日の物語 ごとう やすゆき 幻冬舎 2006-09-10 [幻冬舎文庫 犬-11-1] by G-Tools |
中学3年生の時、国語の教科書に動物の物語が載っていた。
(タイトルは「猫」で外国の作者だったと思うのだが詳細は失念)
そして一通り学び終わった後に担当の先生が
ふいに呟かれた言葉が今でも印象に残っている。
「Keiくん、ペットを飼うってことはとてもいいことなのよ。
命の大切さというのを肌で実感できるから。
大人になったら自分の子どものためにもペットを飼ってみるといいよ。」
結局今日に至るまでペットを飼うという縁に巡り会えていないのだけど、
そう遠くない未来に自分が家庭を持って子どもが生まれたときには
今度こそペットを飼ってみようと思っている。
そういえば最近、ペットにまつわる素敵な物語に出会うことが出来た。
この本は作者の家で飼われていたペットの犬:グーの物語だ。
雑誌やテレビ番組に出てくるほどの絵に描いたような犬でもなければ、
あんまりお利口さんな犬でもなかった。俗っぽく言えばグーは「ダメ犬」。
だけどグーはどこか憎めない柔和な魅力を持っていて、
いつの間にか家族の一員として溶け込んでいた。
おさんぽ、おあそび、いっしょにねんね...
どこにでもあるような平和な日々が当たり前のように流れてゆく。
世に溢れているペット本ならばこの情景を真空パックに密閉し、
徹底的に脱臭してまるでその輝きが永遠であるかのように提示するだろう。
しかしこの本は「その先」もしっかり描いている。
多くの人があまり触れたがらない上に好んで見たくない「その先」...
つまり「死」である。
犬はロボットではない。この世に生を授けた動物だ。
もちろん人間と同じように血液が全身に流れているし、
加齢と共に身体が衰弱していくことも避けられない。
主人公・グーもあるときから身体の具合が悪くなる。
まともに歩けない、食事を取ることが出来ない、表情が悲しそう...
何度も書くが犬は動物だ。リセットキーを押せば済む問題でもないし、
人間と同じように感情だってある。決して死にたくなんかないはずだ。
しかし時間というのは無情なもので、
グーにもついに「その瞬間」が訪れてしまう。
なくしたときに初めて気付く"当たり前の日常"の大切さ。
あまりにも空気のような存在になってしまったからこそ
感謝の念は忘れがちになってしまうけど、でも忘れたくない大切なこと。
「あったかくて 重くて たいせつないのち。
ぼくの中で みんなの中で 生きつづける」 (p242-243)
イラストエッセイなので小さな子どもでもとても読みやすい構成なのが特徴だ。
何かと命が軽視される現代。今日も自殺のNewsが紙面を賑わす。
「小さな命」ってなんだろう...子どもと共に少し真剣に考えてみたい一冊。


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